マッチングとプロフィール
マッチングアプリの詐欺の手口:投資、外部誘導、脅迫に注意
マッチングアプリの詐欺は、恋愛感情を利用した投資の勧誘、別のサイトへの誘導、性的な画像を使った脅迫が代表的です。手口ごとの流れと見分け方、被害にあったときの相談先をまとめました。

マッチングアプリの詐欺には、主に三つの手口があります。恋愛感情を育ててから投資や副業に誘う手口、ポイント制の別のサイトや外部のアプリに誘導する手口、性的な画像や映像を送らせて脅す手口です。どれも、アプリの外でのやり取りに移ってから本格的に始まります。会う前に外に誘われたら、それだけで警戒しましょう。
マッチングアプリは、多くの人が真剣に出会いを探す場所です。その分、詐欺師にとっても、狙いやすい場所になっています。国民生活センターの越境消費者センターには、マッチングアプリなどで出会った相手に海外の投資サイトを紹介され、出金できなくなったという相談が多く寄せられています。以下では、マッチングアプリの詐欺の手口ごとに、流れと見分け方、相談先を紹介します。
マッチングアプリの詐欺の手口:三つのタイプ
マッチングアプリの詐欺は、目的によって大きく三つに分けられます。
| 手口 | 流れ | 見分けるサイン |
|---|---|---|
| ロマンス投資詐欺 | 恋愛感情を育て、投資サイトやアプリで送金させる | 会う前の投資の話、「二人の将来のため」 |
| 外部サイトへの誘導 | ポイント制の出会い系サイトなどに登録させ、課金させる | 「こっちのサイトのほうが話しやすい」 |
| 性的な画像での脅迫 | ビデオ通話などで画像を送らせ、拡散すると脅す | 早い段階での性的な話題、カメラへの誘い |
ほかにも、会ったときに高額な商品を契約させる、結婚をほのめかしてお金を借りる、といった手口もあります。共通するのは、恋愛感情や信頼を利用して、お金を引き出そうとすることです。
ロマンス投資詐欺:マッチングアプリの詐欺で最も多い手口
マッチングアプリの詐欺で、被害額が大きいのがロマンス投資詐欺です。国民生活センターは、その流れを次のようにまとめています。
- マッチングアプリなどでマッチングが成立する。
- 実際に会う前に、アプリ以外のサービスでやり取りしようと持ちかけられる。
- 相手から投資サイトを案内され、投資を勧められる。
- 少額の投資では、投資サイト上で利益が出る。
- さらに高額の投資を勧められ、送金する。
- 出金しようとすると、さまざまな名目で送金を求められ、結局出金できない。
- 相手とも、投資サイトの運営者とも連絡が取れなくなる。
国民生活センターが紹介した事例では、30歳代の女性が、マッチングアプリで知り合った自称外国人経営者の男性に投資を勧められました。借り入れまでして約500万円を投資し、出金しようとすると、総資産の15%を保証金として払うよう求められ、連絡が途絶えました。

警察庁のデータで見るマッチングアプリの詐欺
警察庁によると、2025年のSNS型ロマンス詐欺の被害は5,645件、546.4億円でした。SNS型ロマンス詐欺は、マッチングアプリやSNSで知り合った相手に、恋愛感情を利用してお金をだまし取られる詐欺です。
警察庁のページでは、マッチングアプリで知り合った女性に勧められ、ネットショップの運営の保証金として約3,300万円をだまし取られた50歳代の男性の事例も紹介されています。警察庁は、マッチングアプリで知り合った後、早い段階でLINEに誘導された場合は詐欺などを疑うよう呼びかけています。
ロマンス詐欺の詳しい見分け方と対処は、ロマンス詐欺のガイドで紹介しています。
外部サイトへの誘導と課金
もう一つのよくある手口は、ポイント制の出会い系サイトや、知らないアプリに誘導するものです。「このアプリは退会するから、こっちで話そう」「連絡先はこのサイトで交換しよう」と言って登録させ、メッセージのやり取りのたびにポイントを買わせます。相手はサクラで、いつまでたっても会えません。
国民生活センターに寄せられた出会い系サイトの相談には、個人情報を交換したり会ったりするためにポイントを購入したが、約束が守られない、という事例があります。相談件数は2025年度で3,399件でした。
知らないサイトやアプリへの登録を求められたら、断りましょう。やり取りは、もとのマッチングアプリの中で続けるのが安全です。
性的な画像を使った脅迫
マッチングアプリで知り合った相手に、ビデオ通話で裸を見せるよう誘われ、それを録画されて脅される被害もあります。「お金を払わなければ、家族や友人に送る」と脅すのです。これはセクストーションと呼ばれます。
脅されたら、お金を払わず、それ以上画像を送らず、証拠を残して警察に相談してください。一人で抱え込む必要はありません。詳しい対処と相談先は、セクストーションのガイドにまとめています。
会うときに気をつけたい詐欺:デート商法と結婚詐欺
詐欺は、会ってから始まることもあります。何度か会って親しくなった後、アクセサリーや絵画、投資用のマンションなど、高額な商品の契約をすすめられる手口です。断ると関係が終わるのではないかという気持ちを利用して、契約させます。
結婚をほのめかしながら、「事業の資金が足りない」「家族が病気で」とお金を借りて、返さずに姿を消す手口もあります。会ったことがある相手でも、お金の話が出たら、家族や信頼できる人に相談してから決めましょう。高額な契約は、その場でサインしないことが大切です。
マッチングアプリの詐欺を防ぐ使い方
マッチングアプリの詐欺の多くは、いくつかの習慣で防げます。
- アプリの中でやり取りする: 会う前に外のアプリへ移らない。
- お金の話は断る: 会ったことのない相手の投資、副業、借金の話には応じない。
- ビデオ通話で確かめる: 会う前に短いビデオ通話をお願いする。ただし、体を必要以上に映さない。
- 写真を調べる: 画像検索で、同じ写真が別の名前で使われていないかを調べる。
- 怪しい相手は報告する: 運営に報告し、ほかの利用者の被害を防ぐ。
偽のプロフィールを見分けるポイントは、マッチングアプリの業者の見分け方のガイドで詳しく紹介しています。写真が加工されていたり、他人のものだったりする場合は、写真詐欺のガイドも参考にしてください。
マッチングアプリの詐欺にあったら:相談先
お金をだまし取られたら、すぐに振り込んだ銀行や、暗号資産の取引所に連絡します。やり取りの記録、相手のプロフィール、送金の記録を保存し、最寄りの警察署か警察相談専用電話「#9110」に相談しましょう。
契約や課金のトラブルなら、消費者ホットライン「188」で消費生活センターに相談できます。海外の投資サイトなど、海外の事業者とのトラブルは、国民生活センターの越境消費者センターでも相談を受け付けています。
被害の後に、「お金を取り戻せる」と持ちかける業者には注意しましょう。調査費用などを払わせる二次被害が起きています。
よくある質問:マッチングアプリの詐欺について
マッチングアプリの詐欺で多い手口は?
恋愛感情を利用して投資や副業に誘う手口、ポイント制の別のサイトに誘導する手口、性的な画像を送らせて脅す手口が代表的です。どれも、会う前にアプリの外でのやり取りに誘うところから始まることが多いです。
マッチングアプリの相手に投資を勧められたら?
断りましょう。国民生活センターも、出会い系サイトやマッチングアプリで出会った相手の指示で投資するのはやめるよう呼びかけています。少額で利益が出ても、大きな金額を入れた後に出金できなくなるのが典型的な流れです。
別のアプリで話そうと言われたら、断るべきですか?
会う前なら、断るのが安全です。警察庁も、早い段階でLINEに誘導された場合は詐欺を疑うよう呼びかけています。アプリの外に出ると、運営による監視や報告の仕組みが使えなくなります。
詐欺にあったお金は取り戻せますか?
難しいことが多いですが、早く動くほど可能性は残ります。振り込んだ銀行や取引所にすぐ連絡し、警察に相談しましょう。「必ず取り戻せる」と持ちかける業者は、二次被害のおそれがあります。
マッチングアプリの詐欺は運営に報告すべきですか?
はい。報告すれば、運営がそのアカウントを調べ、ほかの利用者への被害を防ぐことにつながります。プロフィールやメッセージのスクリーンショットを残したうえで、アプリの報告機能を使いましょう。
おわりに:マッチングアプリの詐欺は、外への誘導とお金の話で見抜ける
マッチングアプリの詐欺は、手口がいくつあっても、入り口はよく似ています。会う前の外部への誘導と、お金の話です。この二つが出たら、相手がどれほど魅力的でも立ち止まりましょう。
素敵な出会いを探す気持ちを、詐欺師に利用させないこと。アプリの中でやり取りし、お金の話を断り、怪しい相手は報告する。この習慣があれば、マッチングアプリを安心して使えます。
もし被害にあっても、自分を責めないでください。詐欺師は、人の気持ちを動かすことに慣れています。早めに警察や消費生活センターに相談することが、被害を小さくする一番の近道です。


