偽の写真とAI画像
写真の加工の見分け方:ゆがみ、影、境目をチェックする
写真の加工の見分け方は、まっすぐなはずの線のゆがみ、影の向き、輪郭の境目、なめらかすぎる質感を見ることです。マッチングアプリやフリマの写真で使えるチェックと、見分けられない加工への備えをまとめました。

写真の加工の見分け方で一番の手がかりは、まっすぐなはずの線です。ドア、窓枠、タイル、柱などが、人の体のまわりだけ曲がっていたら、体型を加工した可能性が高いでしょう。あわせて、影の向き、輪郭の境目、肌や物の質感を確かめます。最近の加工アプリはとても自然に仕上がるので、迷ったら相手に加工していない写真や、ビデオ通話をお願いするのが確実です。
写真の加工は、今ではスマートフォンのアプリで誰でも簡単にできます。肌をきれいに見せる程度なら珍しくありませんが、マッチングアプリで別人のように見せたり、フリマで商品の傷を消したりすると、トラブルの原因になります。以下では、写真の加工の見分け方を、チェックポイントごとに紹介します。
写真の加工の見分け方:6つのチェックポイント
写真の加工を見分けるときは、写真を拡大して、次の6つの点を確かめます。一つの不自然さだけで決めつけず、いくつか重なるかを見ましょう。
- 線のゆがみ: ドアや窓枠、壁の角、床のタイルが、不自然に曲がっていないか。
- 影の向き: 人や物の影が、光の来る方向と合っているか。複数の影の向きがそろっているか。
- 輪郭の境目: 髪や肩のまわりがにじんでいたり、背景とくっきり切り離されすぎていたりしないか。
- 質感: 肌が陶器のようになめらかすぎないか。商品の表面だけ質感が違っていないか。
- 繰り返し: 背景の模様や草木に、同じ形がコピーしたように繰り返されていないか。
- 画質の差: 写真の一部だけ、ぼやけていたり、くっきりしすぎていたりしないか。
小さな画面では、加工の痕跡に気づきにくいものです。パソコンの大きな画面で、拡大しながら見ると見つけやすくなります。
顔写真の加工の見分け方と体型の加工
顔や体型の加工では、体のまわりの背景がゆがむことがよくあります。腰を細くしたり、脚を長くしたりすると、その近くにあるドアの枠や壁の線も一緒に引っ張られるからです。人の体のまわりだけ線が曲がっていたら、加工を疑いましょう。
顔の加工では、目が大きすぎる、あごが細すぎる、肌の質感が均一すぎる、といった点が手がかりになります。複数の写真を見比べると、写真ごとに顔の形や目の大きさが変わっていることもあります。本物の顔なら、ほくろや耳の形などの特徴は、写真が変わっても同じです。
マッチングアプリでは、加工で実物と大きく違う写真を載せる人もいます。いわゆる写真詐欺の見分け方と、会ったら別人だったときの対処は、写真詐欺のガイドで紹介しています。

画像の合成の見分け方と背景の加工
別々の写真を組み合わせた合成写真では、光と影が手がかりになります。人物に当たる光の向きと、背景の光の向きが違っていたら、別の場所で撮った写真を合わせた可能性があります。人物の足元に影がない、影の濃さが周りと違う、という点も確かめましょう。
背景の一部を消したり、物を消したりする加工もあります。消した跡は、周りの模様をコピーして埋めることが多いので、同じ形の繰り返しや、模様の途切れが残ることがあります。最近は、AIで自然に埋める機能も広まり、見た目だけでは分からないことも増えました。
AIで丸ごと作った画像の見分け方は、AI画像の見分け方のガイドで紹介しています。
フリマの出品写真の加工の見分け方
フリマでは、商品の傷や汚れを隠すために、写真を加工する出品者もいます。明るさを上げすぎて汚れを飛ばす、傷の部分だけをぼかす、色を実物と違う色に見せる、といった加工です。
気になるときは、傷や汚れの部分を近くで撮った写真を追加でお願いしましょう。照明の条件を変えた写真や、短い動画を頼むのも有効です。警視庁は、出品者自身が撮影した写真が掲載されているほうが信頼度が高いと書いています。フリマの手口全体はメルカリ詐欺のガイドで紹介しています。
届いた商品が写真と大きく違っていたら、受取評価をせずに出品者に連絡し、解決しなければ事務局に相談しましょう。届いたときの状態は、開封の様子から写真や動画に残しておきます。
どこまでが加工で、どこからが問題か
写真の加工がすべて悪いわけではありません。明るさや色を少し整える、余計なものが写らないように切り取る、といった加工は、多くの人がふだんからしています。問題になるのは、見る人の判断を誤らせる加工です。
たとえば、マッチングアプリで別人のように見えるほど顔や体型を変える、フリマで商品の傷や汚れを消す、といった加工です。相手は写真を信じて会う約束をしたり、お金を払ったりします。実物を見たときに大きな差があれば、信頼を失うだけでなく、トラブルや返品の原因になります。
自分が写真を載せる側なら、相手が実物を見たときに驚かない範囲にとどめましょう。それが、結局は自分を守ることにもつながります。
Exifと画像検索で加工を調べる
写真のメタデータ(Exif)には、編集に使ったソフトの名前が残ることがあります。ソフトウェアの欄に画像編集ソフトの名前があれば、何らかの編集がされた手がかりになります。ただし、明るさを少し直しただけでも名前は残りますし、Exifそのものを消すこともできます。見方はExifの確認のガイドにあります。
画像検索で、加工前の元の写真が見つかることもあります。人物を入れ替えた合成写真なら、元の背景の写真が別の場所に載っていることがあります。画像検索のやり方は画像検索のやり方のガイドで紹介しています。
見分けられない加工への備え
今の加工アプリは、とても自然に仕上がります。プロが手間をかけた加工や、AIを使った加工は、見た目だけではほとんど見分けられません。総務省の情報通信白書も、生成AIの進歩で高品質な偽の画像を作れるようになり、対策がいたちごっこの様相を呈していると書いています。
だからこそ、見分けることより、確かめることを考えましょう。相手がいる場面なら、加工していない写真を頼む、ビデオ通話をお願いする、実際に会って確かめる、といった方法があります。確認の全体像は写真が本物か確かめる方法にまとめました。
加工されていないことを示せる写真
写真が加工されていないことを、相手に示したい場面もあります。フリマの出品者なら商品の状態を、マッチングアプリなら自分の今の姿を、正直に伝えたいときです。
KatiTrustのようなカメラアプリでは、アプリで撮った写真や動画に確認コードが付き、ギャラリーからはアップロードできません。受け取った人はkatitrust.comで、撮影後に変更されていないこと、撮影日時、おおよその場所を確かめられます。撮った後に加工された写真には、このコードは使えません。
よくある質問:写真の加工の見分け方について
写真の加工を一番簡単に見分ける方法は?
人の体のまわりにある、まっすぐなはずの線を見ることです。ドアや窓枠、タイルが体の近くだけ曲がっていたら、体型を加工した可能性が高いでしょう。あわせて、影の向きや輪郭の境目も確かめます。
マッチングアプリの写真が加工かどうか分かりますか?
複数の写真で顔の形や目の大きさが変わっていないか、背景の線がゆがんでいないかを見ます。肌がなめらかすぎる写真ばかりなら、加工の可能性があります。気になるときは、加工していない写真やビデオ通話をお願いしましょう。
加工アプリの写真は見分けられないのですか?
軽い加工なら、線のゆがみや質感で見分けられることがあります。ただし、自然に仕上げる加工や、AIを使った加工は、見た目ではほとんど分かりません。見分けることにこだわらず、相手に確かめる方法を考えるほうが確実です。
合成写真はどう見分けますか?
人物と背景で、光の向きや影の濃さが合っているかを見ます。人物の輪郭が背景からくっきり浮いている、足元に影がない、という点も手がかりです。画像検索で、元の背景の写真が見つかることもあります。
Exifで加工されたか分かりますか?
ソフトウェアの欄に画像編集ソフトの名前が残っていれば、編集された手がかりになります。ただし、軽い調整でも名前は残りますし、Exifは消したり書き換えたりできます。ほかの方法と組み合わせて判断しましょう。
おわりに:写真の加工の見分け方は、線と影から
写真の加工の見分け方は、まっすぐなはずの線、影の向き、輪郭の境目、質感の四つから始めましょう。拡大して見るだけで、気づくことはたくさんあります。
ただし、加工の技術は進歩していて、見た目だけで見抜けない写真も増えています。大事な場面では、相手に加工していない写真や、その場での確認をお願いすることをためらわないでください。正直な相手なら、きっと応じてくれるはずです。
反対に、確認を何度も断る相手には、それなりの理由があると考えてよいでしょう。


