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部屋探しと賃貸

おとり物件の見分け方:賃貸で来店前に確かめること

おとり物件は、好条件で客を呼び、来店すると「決まってしまった」と別の部屋を勧める広告です。見分け方と、架空の大家による前払い詐欺、業者の確かめ方をまとめました。

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表紙:おとり物件の見分け方、賃貸で来店前に確かめること

おとり物件とは、実際には借りられない部屋を好条件で広告し、客を店に呼ぶための物件です。来店すると「その部屋はさっき決まりました」と言われ、別の部屋を勧められます。見分けるには、相場より安すぎないか、詳しい住所が伏せられていないかを確かめ、来店前に電話で「今も内見できるか」を聞くのが効果的です。

部屋探しで一番つらいのは、理想の部屋を見つけて行ったのに、存在しなかったと分かることです。おとり物件は時間の無駄で終わることが多いですが、もっと悪質なのは、架空の大家が前払いをだまし取る詐欺です。以下では、おとり物件の見分け方と、賃貸の詐欺の手口、信頼できる業者の確かめ方を紹介します。

おとり物件の見分け方:来店前のチェックポイント

おとり物件は、条件が良すぎることが最大の特徴です。家賃が相場より明らかに安い、駅に近くて新しいのに安い、写真がきれいすぎる、などです。次のサインが二つ以上あれば、来店する前に確かめましょう。

  • 安すぎる: 同じ地域、同じ広さ、同じ築年数の部屋より、家賃がはっきり安い。
  • 住所があいまい: 番地や建物名が書かれておらず、地図でも場所が分からない。
  • 長く掲載されている: 条件が良いのに、何週間も同じ広告が出続けている。
  • 現地集合を断る: 「まずは店舗にお越しください」と、物件で待ち合わせるのを嫌がる。
  • 問い合わせると答えがない: 空室か聞いても、はっきり答えずに来店をすすめる。

不動産会社に電話するときは、「その部屋を今日か明日、内見できますか」と具体的に聞いてみましょう。本当に空いている部屋なら、内見の日程をすぐに相談できるはずです。

おとり物件は禁止されている

おとり物件の広告は、ルールで禁止されています。宅地建物取引業法の第32条は、宅建業者が広告で、物件の内容や賃料などについて、著しく事実と違う表示や、実際よりも著しく有利だと誤認させる表示をすることを禁じています。

不動産業界には、広告の自主ルールとして「不動産の表示に関する公正競争規約」もあります。首都圏不動産公正取引協議会の案内によると、誤解を招く表現、虚偽の表示、おとり広告などのルール違反には、全国9地区の不動産公正取引協議会が警告や違約金などの措置をとっています。

つまり、おとり物件はグレーな営業ではなく、はっきりした違反です。おとり物件に当たったと感じたら、その店とは距離を置くのが安全です。

架空の大家による賃貸詐欺:前払いをだまし取る

おとり物件よりも悪質なのが、存在しない部屋や他人の部屋を使った賃貸詐欺です。SNSや掲示板、フリマのような掲示板サービスで、相場よりずっと安い部屋が「大家が直接」貸し出されます。大家は遠方や海外にいて、内見はできないと言います。

そして、「人気なので、敷金と礼金を先に振り込めば押さえておきます」と前払いを求めます。振り込むと、鍵は届かず、連絡も取れなくなります。写真は、ほかの賃貸サイトから持ってきたものです。

内見する前に、知らない相手にお金を振り込まないでください。写真が他から持ってきたものかどうかは、画像検索で調べられます。

申込書類とペンが置かれた机
内見して、業者と契約内容を確かめるまで、前払いはしません。写真: Kampus Production / Pexels

信頼できる不動産会社かどうか確かめる

賃貸の仲介をする不動産会社は、宅地建物取引業の免許を持っていなければなりません。宅建業法の第3条は、宅建業を営むには、国土交通大臣か都道府県知事の免許が必要だと定めています。

免許を持つ業者は、国土交通省の検索システムで確かめられます。広告や店頭に表示された免許番号で検索し、会社名と所在地が一致するかを見ましょう。免許番号を示さない、検索しても出てこない業者とは、契約しないほうが安全です。

個人の大家から直接借りる場合は、宅建業者は関わりません。その場合は、登記事項証明書で建物の所有者を確かめる方法もあります。大家を名乗る人と所有者の名前が違うなら、注意が必要です。

内見と契約で気をつけること

おとり物件や賃貸詐欺を避ける一番の方法は、必ず内見することです。部屋を自分の目で見て、写真と同じか、設備が動くかを確かめます。遠方でどうしても行けないときは、信頼できる業者にビデオ通話で案内してもらう方法もあります。

契約の前には、宅地建物取引士による重要事項の説明を受けます。賃料、敷金、礼金、更新料、退去時の原状回復の条件を、書面で確かめましょう。分からない点は、その場で質問します。

初期費用の内訳も、一つひとつ確かめます。見積もりは、申し込みの前に書面でもらっておくと比べやすくなります。鍵の交換費用や消毒料など、何に使われるか分からない費用が入っていたら、説明を求めましょう。入居してからのトラブルを防ぐには、入居時に部屋の状態を記録しておくことも大切です。その方法は入居時の写真のガイドで紹介しています。

退去時のトラブルも「賃貸の落とし穴」

賃貸のトラブルは、借りるときだけではありません。国民生活センターに寄せられた賃貸住宅の原状回復をめぐる相談は、2025年度に14,711件ありました。敷金が返ってこない、敷金を上回る修繕費を請求された、という相談です。

国土交通省は、原状回復の費用負担について、一般的な基準をガイドラインにまとめています。退去時の費用でもめたときの考え方は、敷金の返還のガイドで説明しています。

旅行先の宿を予約するときにも、偽のメッセージで支払いを求める詐欺があります。その手口はホテル予約の詐欺のガイドで紹介しています。

今の部屋の様子を確かめる方法

遠くの部屋を探しているとき、写真が本当に今のものかは気になるところです。掲載されている写真は、何年も前のものかもしれません。

KatiTrustのようなカメラアプリなら、業者や大家が今撮った写真や動画に確認コードが付き、katitrust.comで撮影日時とおおよその場所を確かめられます。ただし、分かるのは写真がいつどこで撮られたかだけです。その人が本当に部屋を貸せる立場かどうかは、免許や登記で確かめてください。

おとり物件や賃貸詐欺にあったら

おとり物件の広告に当たったら、地域の不動産公正取引協議会や、免許を出した都道府県の担当窓口に相談できます。業者とのトラブルの相談先は、不動産の詐欺の相談先のガイドにまとめました。

架空の大家に前払いしてしまったら、すぐに振込先の銀行に連絡し、警察に相談します。やり取りの記録、広告の画面、振込の記録を保存しておきましょう。警察相談専用電話は「#9110」です。

部屋の契約や初期費用をめぐって業者と話がまとまらないときは、消費者ホットライン「188」で近くの消費生活センターを案内してもらえます。広告と実際の条件が違った場合は、広告の画面を保存しておくと、相談の際に役立ちます。

よくある質問:おとり物件について

おとり物件とは何ですか?

実際には借りられない部屋を好条件で広告し、客を店に呼ぶための物件です。すでに決まった部屋や、存在しない部屋、貸す予定のない部屋が使われます。来店すると「決まってしまった」と言われ、別の部屋を勧められるのが典型的です。

おとり物件の見分け方は?

相場より安すぎる、詳しい住所が書かれていない、長く掲載されている、現地集合を断る、といった点に注意します。来店する前に電話で「今日か明日に内見できますか」と具体的に聞くと、本当に空いているかが分かりやすくなります。

おとり物件は違法ですか?

宅地建物取引業法の第32条は、宅建業者が著しく事実と違う広告や、実際よりも著しく有利だと誤認させる広告をすることを禁じています。業界の公正競争規約でも、おとり広告は違反とされ、不動産公正取引協議会が警告や違約金の措置をとっています。

不動産会社が本物か、どう確かめますか?

宅建業の免許番号を確かめ、国土交通省の検索システムで、会社名と所在地が一致するかを見ます。免許番号を示さない、検索しても出てこない業者とは契約しないほうが安全です。

内見前にお金を振り込んでも大丈夫ですか?

おすすめしません。内見前に敷金や礼金を振り込ませ、そのまま連絡が取れなくなる詐欺があります。部屋を自分の目で見て、業者と契約内容を確かめるまで、知らない相手にお金を送らないでください。

おわりに:おとり物件は、来店前の一本の電話で見抜ける

おとり物件は、良すぎる条件で人を呼びます。相場、住所、掲載期間を確かめ、来店前に内見できるかを電話で聞くだけで、多くは見抜けます。架空の大家による詐欺は、内見前の前払いを断れば防げます。

部屋探しは、急ぐほど判断が甘くなります。業者の免許を確かめ、必ず内見し、契約内容を書面で確かめる。この三つを守って、納得できる部屋を見つけましょう。

もし被害にあっても、一人で抱え込まないでください。不動産の相談窓口や消費生活センター、警察が力になってくれます。