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チケット詐欺の見分け方:SNSの「定価で譲ります」に注意
チケット詐欺の多くは、SNSの「定価で譲ります」から始まり、先払いの後に相手が消えます。見分け方、公式リセールの使い方、払ってしまったときの相談先をまとめました。

チケット詐欺の多くは、同じ流れで起きます。SNSで「定価で譲ります」という投稿を見つけ、ダイレクトメッセージでやり取りし、先に代金を送ると相手のアカウントが消えます。チケットは、主催者やプレイガイド、ファンクラブなどの正規の販売ルートか、公式のリセールで手に入れるのが一番安全です。
推しのライブのチケットが取れなかったとき、「譲ります」の投稿は救いのように見えます。詐欺師はその気持ちを狙います。国民生活センターは2026年10月、SNSでのチケットの転売トラブルについて改めて注意を呼びかけました。以下では、チケット詐欺の手口と見分け方、公式リセールの使い方、払ってしまったときの動き方を紹介します。
チケット詐欺の見分け方:危険なサイン
チケット詐欺は、急がせ、先に払わせ、確かめる手段をなくします。SNSや掲示板で、定価か格安で譲るという投稿に、身分証の画像、送金アプリや振込での先払い、「今日中に」という期限がそろったら危険です。一つでも当てはまれば、送金する前に立ち止まりましょう。
- 相手がSNSの個人: 公式のリセールではなく、SNSのダイレクトメッセージで取引します。
- 先払い: チケットを受け取る前に、代金を全額送るよう求めます。
- 身分証を見せる: 信用させるために、運転免許証などの画像を送ってきます。
- 急がせる: 「他にも希望者がいる」「今日中に払えば取り置く」と言います。
- 受け渡しが不確か: 画像やPDFで送る、当日会場で手渡しする、などの約束です。
身分証の画像は、他人のものを盗んだり、加工したりできます。画像を送ってきたことは、相手を信用する理由になりません。
SNSでのチケット詐欺:国民生活センターの事例
国民生活センターが紹介した事例では、20歳代の女性が、アイドルグループのコンサートチケットを「定価で譲ります」というSNSの投稿を見つけました。ダイレクトメッセージでやり取りし、2名分を約2万円で譲ってもらうことになりました。
相手から運転免許証の画像が届いたので信用し、決済サービスアプリで送金しました。送金のときにアプリで警告が表示されましたが、気にせず送ったそうです。送金後、相手とは連絡が取れなくなりました。SNSを見ると、同じ相手に同じ手口でだまされた人が他にもいるようだったといいます。
この事例には、チケット詐欺の要素がそろっています。SNSの個人、身分証の画像、先払いの送金です。送金アプリの警告は、詐欺を止める大切な合図になることがあります。表示されたら、いったん送金をやめて考えましょう。
転売仲介サイトと当日手渡しのトラブル
チケット詐欺は、SNSだけではありません。国民生活センターは、チケットの転売仲介サイトでのトラブルも紹介しています。50歳代の女性が、仲介サイトで野球の観戦チケット4名分を約50万円で買いました。チケットは試合当日にゲートで手渡しする約束でしたが、出品者は現れませんでした。
仲介サイトに返金を求めても、出品者と話すよう返信が来ただけでした。当日の手渡しは、受け取れなかったときに証明が難しく、仲介サイトの補償を受けにくい方法です。
国民生活センターは、公式チケット販売サイトと間違えて、海外のチケット転売仲介サイトから買ってしまうケースも目立つと書いています。検索結果の上に出てきたサイトが、公式とは限りません。

転売チケットは入場できないことがある
チケット詐欺でなくても、転売で手に入れたチケットでは入場できないことがあります。国民生活センターによると、チケットの規約で第三者への譲渡や転売を禁止している場合や、入場時に購入者本人の確認が必要な場合があります。その場合、転売チケットは無効にされたり、本人確認で入場を断られたりするおそれがあります。
公演の公式サイトには、転売の禁止や、転売仲介サイトから買ったチケットだと分かった場合の扱いが書かれています。買う前に、必ず公式サイトでルールを確かめてください。
正規の販売ルートで買ったチケットなら、公演が延期や中止になったときに払い戻しを受けられます。転売で手に入れたチケットでは、この補償を受けられないことがあります。
チケット不正転売禁止法と公式リセール
チケットの高額転売は、法律でも規制されています。チケット不正転売禁止法は2019年6月14日に施行され、特定興行入場券の不正転売を禁止しています。特定興行入場券とは、日時と場所、座席または入場資格者が指定され、興行主の同意のない有償譲渡の禁止が券面などに表示されたチケットです。
不正転売とは、業として、興行主の販売価格を超える価格で転売することです。違反すると、第9条により一年以下の拘禁刑もしくは百万円以下の罰金、またはその両方が科されます。不正転売の目的でチケットを譲り受けることも禁止されています。
行けなくなったチケットを譲りたいときは、主催者などが用意する公式のリセールサービスを使います。国民生活センターによると、公式リセールでは、そのチケットを希望する人に定価で再販できます。買う側にとっても、公式リセールは正規のチケットを手に入れる安全な方法です。
チケット詐欺にあわないための買い方
チケット詐欺を防ぐ一番の方法は、正規の販売ルートと公式リセールで買うことです。国民生活センターは、興行の主催者、主催者から正式に販売の許可を得たプレイガイド、ファンクラブ、アーティストの公式サイトなどを挙げています。
どうしても個人から譲ってもらうなら、次の点を確かめます。
- 公式のルールを読む: 公演の公式サイトで、譲渡や転売が禁止されていないかを確かめます。
- 公式の譲渡機能を探す: チケットアプリに分配や譲渡の機能があれば、それを使います。
- 先払いをしない: SNSの個人に、チケットを受け取る前に全額を送らないでください。
- アプリの外で払わない: フリマアプリでは、チケットの出品ルールと決済の仕組みを確かめます。
フリマアプリでの取引全体の注意点はメルカリ詐欺のガイドで、アプリの外での支払いが危ない理由は直接取引の詐欺のガイドで説明しています。
チケット詐欺にあったら:相談先と動き方
代金を払ったのにチケットが届かず、相手と連絡が取れないなら、すぐに動きます。国民生活センターは、お金をだまし取ることが目的だと疑われる場合は、すぐに警察に相談するよう案内しています。警察相談専用電話は「#9110」です。
- 証拠を保存する: SNSの投稿、相手のアカウント、ダイレクトメッセージ、送金の記録をスクリーンショットで残します。
- 送金先に連絡する: 決済サービスアプリや銀行に、詐欺の被害を伝えます。
- 警察に相談する: 最寄りの警察署か「#9110」に相談します。
- SNSに報告する: 相手のアカウントを、詐欺としてSNSの運営に報告します。
転売仲介サイトとのトラブルなら、まずサイトの運営者に協力を求め、解決しなければ消費者ホットライン「188」で消費生活センターに相談します。振込の場合の口座凍結などはフリマ詐欺の対処法のガイドで詳しく説明しています。
「チケットを持っている」の証拠は写真で足りるか
SNSで譲り先を探す人は、チケットの画面のスクリーンショットを見せることがよくあります。しかし、スクリーンショットは他人のものを使ったり、加工したりできます。1枚のチケットの画像を、何人にも見せて代金を集める詐欺もあります。
今撮った写真や動画なら、少しは信頼できます。KatiTrustのようなカメラアプリでは、撮影日時と、撮影後に変更されていないことを、確認コードで第三者が確かめられます。ただし、それで分かるのは、その写真がいつ撮られたかだけです。チケットが本物か、入場できるか、相手が他の人にも売っていないかまでは分かりません。チケットについては、公式のリセールに勝る方法はありません。
よくある質問:チケット詐欺について
SNSでのチケット譲渡は安全ですか?
安全とは言えません。国民生活センターにも、SNSで「定価で譲ります」という投稿を見て送金し、相手と連絡が取れなくなった相談が寄せられています。チケットは、正規の販売ルートか公式リセールで手に入れるのが一番安全です。
チケット詐欺の見分け方は?
SNSの個人との取引、受け取る前の先払い、身分証の画像、「今日中に」と急がせる言葉がそろったら危険です。送金アプリで警告が表示されたときも、いったん止まりましょう。公式の譲渡機能やリセールを使わない理由を相手に聞くのも一つの方法です。
公式リセールとは何ですか?
主催者などが用意する、行けなくなったチケットを希望する人に定価で再販できるサービスです。国民生活センターも、チケットを譲りたいときは公式のリセールサービスを使うよう勧めています。買う側にとっても、正規のチケットを手に入れる安全な方法です。
定価より高く転売すると違法ですか?
チケット不正転売禁止法は、特定興行入場券を、業として、興行主の販売価格を超える価格で転売することを禁止しています。違反すると、一年以下の拘禁刑もしくは百万円以下の罰金、またはその両方が科されることがあります。不正転売の目的で譲り受けることも禁止されています。
お金を払ったのにチケットが届かないときは?
証拠を保存し、送金に使った決済サービスや銀行に連絡します。お金をだまし取られた疑いがあれば、すぐに警察に相談しましょう。警察相談専用電話は「#9110」です。仲介サイトとのトラブルなら、消費者ホットライン「188」にも相談できます。
おわりに:チケット詐欺は、公式ルートで防げる
チケット詐欺は、取れなかった人の焦りにつけ込みます。SNSの「定価で譲ります」、身分証の画像、先払い、急がせる言葉がそろったら、送金する前に立ち止まりましょう。送金アプリの警告も、大事な合図です。
チケットは、主催者、プレイガイド、ファンクラブなどの正規の販売ルートか、公式リセールで手に入れる。この原則を守れば、詐欺にあう可能性も、入場できない心配もぐっと減ります。
もしだまされてしまっても、恥ずかしがらずにすぐ相談してください。同じ相手が他の人もだましていることが多く、早い相談が次の被害を止めることにつながります。


